素人闘牛・闘牛


● 素人闘牛とは ●
 エンシエロが終わると、ゴールとなった闘牛場ですぐに続いて行われるのが素人闘牛だ。 素人闘牛とは、言葉通り素人でも参加できる闘牛のこと。とは言っても、出場できるのは あくまでも牛追いに参加したランナーで、全ての牛がゴールする前に闘牛場に到着できた 者のみ。

日程 7/7〜14の毎日(計8回)
開始時間 エンシエロ終了後すぐ
参加資格 牛追いの参加者で、全ての牛がゴールする前に闘牛場に入れた者(参加自由)
参加する牛 本格的な闘牛(成牛)ではなく、ひと回り小さい2〜3才の牛5〜6頭

 この素人闘牛に参加するとなれば、どうしたって牛追いでの走り方がポイントと なってくる(コース・ガイドのページを参照)。
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 相手となるのは、エンシエロを走った本格的な闘牛(成牛)ではなく、ひとまわり小さい2〜3才の牛。 闘牛士のようにケープや剣を手にするわけではなく、素手で闘うわけだが、 闘うというよりは「 鬼ごっこ 」といった感じだ。 牛は一頭づつ闘牛場内のゲージから放たれるので、それをランナー達がみなで捕まえて、ゲージに 引き戻すとまた次の牛が放たれる。

 牛の角には布のようなものが巻かれているので、角による切り傷といったケガの危険性は軽減 されている。もっとも子牛とはいえ体重が200〜300キロはあるので、参加するのであれば 打ち身、打撲ぐらいは覚悟しておく必要がある。数年後には正式な闘牛に 出場できるよう、野生に近い環境で育成されているため闘争本能も旺盛だ。 素人闘牛士たちに向かって、どんどん突進してくる。
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 この素人闘牛を見物する(入場無料)観客もいて、素人闘牛士が牛に吹っ飛ばされたり、 角に引っ掛けられたりするとワッと歓声が湧く。見事に角をつかんで牛の動きを止めた 者や、勇気があるところを見せた者には、賞賛の拍手が送られたりもする。

 闘牛は神聖視されているので、殴ったり蹴ったりした者には、大ブーイングが湧き上がる。 私が参加した素人闘牛でも、海外からの参加者がふざけて牛に蹴りを入れていたが、 ブーイングとともにスペイン人らしき一団に取り囲まれ、袋叩きにされてしまった。

● パンプロナの闘牛 ●
 エンシエロが行われている本来の目的こそがこの闘牛。 ヘミングウェイの血を沸かせ、『 陽はまた昇る 』を生ませる原動力ともなった闘牛を、 パンプロナで見ておきたいのは当然なのだが、 チケットを正価で入手するのは難しい。
闘牛のチケットは、開催前日の早朝に1日分ずつ発売されるのだが、 深夜から並んでいたダフ屋にほぼ100%買占められてしまう。

(←ダフ屋から買ったチケット)
 よほどいいコネでもあって地元の人から譲ってもらうのでもなければ、 このダフ屋からチケットを買うしかない。
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 闘牛場の入場口あたりは、開催時間( 午後6時30分 )前ともなると チケットを売るダフ屋と、少しでも安く手に入れようと交渉する観客でかなり混雑する。 この雑然とした賑わいも、闘牛観戦の雰囲気を盛り上げてくれてはいるが・・・。

 チケットの料金は座席によってかなり異なるが、正価であれば安いもので 1200〜1400円ぐらいから。これがダフ屋の手にかかると4000円 ほどからとなってしまう。3〜4倍はふっかけられるわけだ。

 ダフ屋から購入する際のポイントとしては、売り手によってふっかけてくる値段も違うので、 できるだけ多くのダフ屋と値段交渉をすること。開催時間のぎりぎりまで粘って交渉すること の2点だろう。ダフ屋にしても、売り残ってただの紙切れとなったチケットを握っていても 仕方ないので、そのへんの心理を上手くついて交渉したい。
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 私は6時30分ぎりぎりまで粘って、ほぼ正価でチケットを購入することができた。 しかし、そのぶん入場が遅くなったので、第一戦( 闘牛は通常3人の闘牛士が、それぞれ 2頭ずつの牛と対決するのだが、その最初の闘い )は座席につくことができず、 場内へ続く階段から観戦しなければならなかった。 もちろん、6時30分前に行われる、闘牛士の入場などの儀式も見逃してしまった。
( ↑ 入場口を通る時にもらったパンフの表紙とページの見開き。その日に
  出場する闘牛士などが紹介されている )
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 実際に闘牛を観戦するのは、私にとって初めての経験であった。一歩場内へ足を踏み入れ、 観客席に陣取った楽隊の奏でるリズムを耳にした瞬間、熱い雰囲気にすっかりのみ込まれて 鳥肌がたった。

 それから闘牛が終了するまでの約2時間は、アッという間だった。 目の前で繰り広げられる光景を、少しも見逃すことのないようアリーナに目をクギ付け にしていたのだが、感想としてはただひとこと「素晴らしかった」と言うほかない。

 ( パンプロナに限らず、闘牛観戦については私が生半可な知識をここで披露するよりも、
斎藤祐司さんのホームページ 『 ソル・イ・ソンブラ 』 をご覧になって頂いたほうが、 正確な知識を得ることもでき、理解も深まると思います。ご興味のある方は リンク集 のほうからどうぞ )

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